音楽を日常的に好き好んで聴く人は、その聴いている曲のジャンルにかかわらず誰しも一回はこう考えたことはないでしょうか。
自分もこんな曲が作れるようになりたい !
そこで「作曲 初心者」でネットで検索したり、専門の本を探して買ってみたりすることがあるでしょう。
大体の記事や本を読むと、
- 曲のキーを決めましょう
- スケールを覚えよう
- ダイアトニックコードを使え!
とかこういう話がよく出てくると思います。
これらは全て初心者向けに書かれたものですが、
楽器を弾いたことがない人、音楽に関する知識が全くない状態から始めた人はこういった内容にハードルを感じ、挫折してしまうこともあると思います。
しかし楽譜が読めなくても楽器が演奏できなくても、作曲はできるんです!
そこで今回は、完全初心者が作曲をするのに必要なもの、最低限必要な知識と、具体的にやることを順番に紹介していきたいと思います。
※とりあえず一曲を作り終えるまで挫折しないことを最優先に考えた内容なので、
音楽理論に関する知識はこれらをベースにあとから付いてくるものだと考えましょう!
Contents
必要なもの
ピアノ or MIDIキーボード 1台
楽器の経験は一切いりません!演奏できなくても作曲はできます。
最初に「作曲できる」がどこまでのレベルのことを指すのか定義しておきます。
ズバリ、作ったメロディに”違和感のない伴奏”を付けられるレベルです。
この”違和感のない”という所が重要で、メロディの音と伴奏の音を同時に鳴らしたときに、それらが違和感なく聴こえるかを確認できる環境が必要です。
その環境を揃えるのに一番手っ取り早いのが、ピアノを一台持っておくことです。
ピアノといっても必ずしも本格的なものを買う必要はなく、現在はMIDIキーボードというパソコンに繋ぐだけで音が鳴るものもあり、こちらは安いもので5000円ぐらいで売っています。
最近では楽器を使わず、PCやスマホなどの無料アプリだけで作曲を行う人も増えてきましたが、鳴らしたい音をすぐ同時に鳴らせることができ、簡単にハーモニーを意識できるという点で鍵盤楽器を所持することをおすすめします。
持ってない人はお金が掛かってしまいますが、MIDIキーボードは一台持っておくと、いざ作曲ソフトを買った際にとても役に立ちます。
曲を作る楽しさを知るのに楽な道のりになるはずなので、ぜひ初期投資だと思って考えてみてください!
ギターでもいいですが、基本的に弦楽器は音を鳴らすまでが難しいのでオススメはしません。
メロディの作り方をなんとなく覚える
世の中に出回っているほとんどの曲のメロディは、基本的に決められた音を使って作られています。
「ドレミファソラシド」の並びは、人生生きていればどこかしらで聞いたことがあるでしょう。
このド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シだけを使ってメロディを作ると違和感のないものが作れます。
上の場合、ドから始まっているのでCメジャースケールと呼ばれます。
ド=C レ=D ミ=E ファ=F ソ=G ラ=A シ=B
では次の音を聞いてみましょう。
最初に流れたのがドから始まるド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シで構成されるCメジャースケール
次に流れたのがレから始まるレ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#で構成されるDメジャースケール
最後に流れたのがソから始まるソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ#で構成されるGメジャースケール
音は違えど全部同じ響きに聞こえるでしょう?
これらに従って曲の中でどんな音を主に使用するかを決定するのが、キーです。
Cメジャースケールの場合、曲のキーはCになります。
カラオケとかでキーを上げたり下げたりする機能があると思いますが、それはメロディに使われている音の並びを全て半音上げる、または下げる処理をしています。
これらに従ってメロディを作っていくワケなのですが…
それぞれのスケールの構成音をいきなり全て覚えようとするのは困難なので、今回はメロディ作りに使う音を思い切って限定します!
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ の Cメジャースケール、つまり白鍵のみを使います。
試しにこれらの音を使ってなにか短いメロディを作ってみてください。
12音を適当に弾くよりかは断然まともなフレーズができるはずです!
使う音を把握したところで次のステップに進みましょう。
コードをやんわり理解する
メロディの裏で流れる伴奏は、コード(和音)という音のかたまりで出来ています。
コード(和音)とは、高さの異なる二つ以上の音が重なった状態をいいます。
作曲では基本的に3つの音が重なった3和音、もしくは4和音を使います。
簡単にいっちゃえば、コードとはこの音とこの音を組み合わせたらこういう響きになるよねっていうのを整理してくれるものです!
メジャーコードとマイナーコード
C (シー・メジャー)
ド・ミ・ソと音を重ねると、こんな明るい響きができます。
Cm (シー・マイナー)
2つ目の音のミを半音下げると、このように暗い響きになります。
このようにコードとは基本的に、明るい響きのメジャーコードと暗い響きのマイナーコードに分かれています。
これらを組み合わせて、コード進行を作っていくのです。
ダイアトニックコード
さきほど曲のメロディはあらかじめ決められた音を使って作られているといいましたが、コードにも同じことが当てはまります。
この決められたコードたちのことを、ダイアトニックコードといいます。
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ のCメジャースケールの場合、これらの音を使って作れるメジャーコード・マイナーコードの集まりがダイアトニックコードとなります。
具体的には、
C
Dm
Em
F
G
A
Bm(♭5)
となります。
これらを組み合わせてコード進行を作ったり、メロディーに合わせてコードを付けていくことになります。
今回は『メロディを作る』の所で使う音をCメジャースケールに限定したため、伴奏に使うコードも上で紹介したCキーのダイアトニックコードになります!
これにて、メロディに使う音と伴奏に使っていいコードという曲を作るための材料が出揃いました。
コード進行にメロディを付けてみる
では実際に曲を作ってみたいと思うのですが、やり方は2パターンあります。
- 作ったメロディに合うコードを当てはめていく
- コード進行に合わせてメロディを作る
いきなりメロディにコードを当てはめようとしても、手探り感が強すぎて結構難しいと思います。
またしっかりやろうとすると音楽理論についてもちょっと勉強する必要が出てきます。
そこでやってみてほしいのが、二つ目のコード進行に合わせてメロディを作る方法です。
コード進行をどうやって考えるのかという話ですが、
特にオススメなやり方が、好きな曲のコード進行をそのまま持ってくることです。
実は、定番のコード進行というのは色々な有名な曲で同じものが使われていることが多いです。
なのでそれをそのまま持ってくることがパクリ、なんてことには絶対なりません。
むしろそれを使うことによって好きな曲の感じが簡単に再現できることが多く、メロディを付ける際も感覚的にできて特に楽しいやり方です。
以下にポピュラーなコード進行を、それを使用した例となる曲とともに紹介していきます。
定番のコード進行集
C → G → Am → Em → F → C → F → G
いわゆるカノン進行というやつ。
コードの構成音を繋げていくと一段ずつ下がっていくような綺麗な流れになるのが特徴。
大塚愛 / さくらんぼ
あいみょん / マリーゴールド
F → G → Em → Am
明るい響きと暗い響きが共存した進行。
王道進行と呼ばれることがあり、J-POPでよーく使われる。
Mr.Children / HANABI
Rick Astley / Never Gonna Give You Up
Am → F → G → C
マイナーコードから始まり、最後Cで綺麗に終わる進行。
小室進行でググると出てくる。
幅広いジャンルでよく使われる。
TM NETWORK / Get Wild
FINAL FANTASY Xから / ザナルカンドにて
Am → F → C → G
マイナーコードから始まり、重厚で壮大な感じのする進行。
これを使うだけで簡単に感動的な雰囲気を出せる。
洋楽や映画音楽などでよく使われている印象。
Bon Jovi / It’s My Life
Lady Gaga / Poker Face
C → G → Am → F
Fで終わるため浮遊感のある爽やかな進行。
軽快なロックにも合う。
アナと雪の女王より / Let It Go
米米CLUB / 浪漫飛行
F → C → G → Am
Amで終わることで残る切ない余韻がキモ。
サビで使われがち。
米津玄師 / lemon
O-Zone / Dragostea Din Tei
自分の気に入ったものを使って、それにメロディを付けてみましょう!
具体的なやり方について
演奏経験のない人は最初から左手コード・右手メロディで弾こうとするのは難しいと思います。
そこで最初は、コードだけをピアノで弾きながらメロディを同時に口ずさむ弾き語り作曲法がオススメです。
いいメロディができたと思ったらスマホなどで録音し、忘れないようにしましょう。
慣れてきたら定番の進行をベースに違うコードを入れてみたり、曲のキーを変えてみたりしてみましょう。
こんなことができるようになる
こうやってコードとメロディを同時に奏でた時のハーモニーを体感しながら作曲を続けていると、だんだん相対音感が鍛えられていきます。
そうすると曲を聴いただけでコードやメロディが分かる、いわゆる”耳コピ”も徐々にできるようになっていきます。
そこまでいくとメロディを先に作ってそれにコードを付けることも可能になってきます!
初心者向けの作曲のやり方はとりあえずこれでおしまいです。
作曲はとても奥が深くクリエイティブで楽しい作業なので、この機会に是非チャレンジしてみてください!
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